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Channel: 佐藤茜 記事 –アットカフェ
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これからの世界で生き抜く子どもを育てる新しい学校教育とは? 映画「Most Likely To Succeed」

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今年4月に第一子を出産してから、同じように子育てをしている方とお話しする機会が増えました。急速に変わっていく社会で、子どもにどんな環境を用意できるか。皆さん、悩みながらもいろいろと試行錯誤しているようです。

私も子育ての合間に情報収集をしたり考えたりしているのですが、そんな中で出会った映画「Most Likely To Succeed」が面白かったのでご紹介します。
 
 

人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とは?

 
「Most Likely To Succeed」は、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマのドキュメンタリー映画です。カリフォルニア州サンディエゴにあるHigh Tech Highという、先進的な教育を行っている学校の紹介とあわせて、多くの有識者や教育関係者への取材を重ねて作られました。

「Khan Academy(カーン・アカデミー)」創業者や、「フラット化する世界」著者のトーマス・フリードマン氏、デザインコンサルティング会社IDEOの創業者もインタビューを受けています。

この映画、2015年にアメリカで公開されて、日本でも昨年から上映会が開催されていましたが、私が参加した先日の会から日本語字幕つきになっていました。(運営の皆さん、ありがとうございます…!)

▼映画の予告編(これは日本語字幕無しです)

Most Likely to Succeed Trailer from One Potato Productions on Vimeo.

▼映画のあらすじ(日本語)
http://www.futureedu.tokyo/education-news-blog/2016/6/8/most-likely-to-succeed-
 
 

新しい学校「High Tech High」とは?

 
「今の学校教育システムは、軍隊や工場で活躍できる人材を育てるために、100年以上前につくられたもの」。

この話は、教育に関心のある方なら一度は耳にしたことがあると思います。知識を習得することが中心の従来型の教育に問題意識を抱く方は多いですが、まだ次の教育システムのスタンダードが確立された訳ではなく、親や学校は手探りで様々な試みをしている段階です。

そんな中作られたのが、この映画の舞台となる「High Tech High」という高校。半導体企業のQualcomm(クアルコム)創業者の息子が設立資金を出し、2000年に開校した公立校です。

学費は無料で、生徒は希望者の中から抽選で選ばれるため、多様性が高く、貧困層の子どもも多いとのこと。

▼「High Tech High」の公式サイト
https://www.hightechhigh.org/
 
 

「新しい教育」に賭ける

 
High Tech Highでは、決まった教科書や試験、成績表がなく、どんな教材を使って、どんな授業をするかは完全に教師に任されています。1年契約という雇用形態にも関わらず、熱意のある教師からの応募がたくさん来るそうです。

生徒たちは、試験の代わりに開催される学期末の展示会に向けて、クラス単位で作品制作などのプロジェクトに取り組みます。いわゆる課題解決型学習(Project-Based Learning = PBL)と言われる学習方法です。

展示会は一般公開されていて、保護者を含む地域住民が数多く足を運び、文化祭のような雰囲気でした。

子どもが High Tech High に通っている親のインタビューもありました。

こんな学校に子どもを通わせるくらいだから、きっと先駆的で時代の先を見ている親なんだろうな…と思ったのですが、インタビューに応えていたのは私たちのような、いわゆる普通の親。

「教科書もない授業なんてもちろん不安もあるけれど、いい大学院を出た子ども達がちゃんとした仕事に就けなくて困っているのも、まわりでよく見ているから…」と話していたのが印象的でした。実際に変化の波が身近に押し寄せてくるのを体験してしまうと、変わらざるを得なくなるんでしょうね。

映画では、こうした新しい教育に関しては長期的な研究結果はまだ出ていないので、親としては既存の教育を続けるか、新しい教育を選ぶか、どちらかに賭ける必要があると言われていました。

これからも教育の選択肢は広がっていくと思いますが、私も子どもや夫と話し合いながら、どんな環境を選ぶか考えていきたいです。
 
 

「好きなことがあり、それに熱中することができる」人が活躍できる時代

 
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